馬刺しが安全とされる理由とそれでも必要な努力

馬刺しを箸で持ち上げている写真

馬刺しを食べたことのない方にとって、馬肉が生で食べられる理由とその安全性が不安の種であるケースも多いでしょう。
そこで今回は、馬肉がなぜ生で食べられるのか、そのためにどんな努力があるのかを見ていきます。
馬肉を生食しても大丈夫だと安心して頂ければ幸いです。

□馬刺しが安全な証拠!生で食べられるのはなぜ?

 

馬肉は生で食べても安全な肉であるとされています。
まずはそんな馬肉について知っていきましょう。

1:生物学的特性

馬は牛や豚と異なり、体温が高く雑菌の繁殖が難しいという特性を持っています。
さらに、馬は反芻をしないため、菌を保持しにくい体質でもあります。
これらの理由から、馬肉は生で食べても比較的安全と言えるでしょう。
やはり元から安全性の高い動物であることは大きな理由の1つです。

2:文化的背景

馬肉の歴史は古く、特に熊本では肥後熊本藩初代藩主であった加藤清正公によって始まったとされています。
そこから馬肉、引いては馬刺しの食文化が根付いたのです。
江戸時代には一般庶民にも広がり、「薬膳料理」としての地位を確立しました。
近年では、低カロリーかつ高たんぱくである馬肉が多くの支持を集めています。

3:栄養価と相性の良い薬味

馬肉を加熱することなく食べることで、ビタミンなどの栄養素を損なうことなく摂取できます。
また、馬肉は生姜やネギ、ニンニクなどの薬味との相性も良く、栄養価の高いメニューが提供されています。

 

□より安全な馬刺しのために行う義務と努力

 

馬刺しの安全性を確保するためには、厚生労働省の基準に従うことが必要です。
これらの基準と努力が、消費者に安心して馬刺しを楽しんでもらうための基盤を築いています。

*厚生労働省の生食基準

生食用食肉は、特定の病原菌が検出されないこと、生食用であることの表示、更に食中毒防止のための衛生基準の徹底が求められます。
これにより、馬肉の安全性が確保されています。

*冷凍処理の重要性

流通している馬刺しは全て冷凍で販売されています。
これはサルコシスティス・フェアリーという寄生虫の問題に対処するためで、馬肉はマイナス20度で48時間以上冷凍するよう決められているのです。
これにより、安全に馬刺しを楽しめます。

*流通の変遷

生食が安全とされていたものの、時代と共に基準が変わり、冷凍処理が必須となりました。
これは、将来的には改善される可能性もありますが、現在は冷凍による安全性の確保が最優先されています。

□まとめ

 

今回は馬肉が生で食べられる理由とその安全性、文化的背景について見てきました。
馬肉の生物学的特性と、長い歴史に渡る文化的背景が、生で食べることの安全性と人気を支えています。

また、厚生労働省の基準に従った管理と努力により、消費者は安心して馬刺しを楽しめます。
食の安全性と新しい食文化に興味がある方にとって、馬肉の魅力を再発見する機会となるでしょう。